近年、世界的に次世代医薬品の開発が活発となり、中でも核酸医薬品は2016年頃を境に毎年上市を続け、今後もさらに開発が進むことが予想される代表的な新規モダリティです。また、医薬品開発において、薬物動態を評価することは重要であり、生体試料中の薬物濃度を定量することは必要不可欠です。
メディフォードでは、生体試料(血漿、組織等)中の核酸医薬品の分析法構築、分析法バリデーション、薬物濃度測定などをGLP体制にて実施しています。また、核酸医薬品の代謝物検索試験を信頼性基準下で実施しています。
分析法の構築、分析法バリデーション、薬物濃度測定などの受託サービスを実施しています。
LC-MS/MS法は後述するHybridization-ECLIA法と比較して選択性が高い分析法であるため、核酸医薬品の代謝物定量にも適用可能です。分析条件の汎用性の高さや、代謝物を直接確認可能であるという利点からも、LC-MS/MS法を用いた分析法が注目されています。また、Hybridization assay法で必要なProbeの合成が不要であるため、医薬品開発候補化合物の探索段階などの迅速な分析法開発と測定が求められる際に適しています。
Probeの設計・手配、検出用試薬の標識(Ruthenium標識など)、分析法の構築、分析法バリデーション、薬物濃度測定などの受託サービスを実施しています。Hybridization-ECLIA(Hybridization-Electro Chemi Luminescence Immuno Assay)法は前処理が簡便であり、かつハイスループット測定が可能であるため、多検体の測定に有効です。LC-MS/MS法と比べて高感度であることから、少量のサンプルでの定量が可能です。
ラットCrl:CD(SD)にヌシネルセンを静脈内単回投与(1mg/kg)した実試料における薬物濃度定量値は、LC-MS/MS法およびHybridization-ECLIA法の2分析法間で良好な相関が確認されました。
一般的に、生体内に取り込まれた医薬品は、代謝されて体外に排泄しやすい構造に変化しますが、しばしば活性代謝物が産生されます。そのため、医薬品の安全性評価において、生体試料中の薬物及びその代謝物の濃度を定量することは極めて重要です。核酸医薬品においても、化学修飾部分を含む代謝物については非臨床安全性を評価する必要があると国内のガイドライン*1に記されています。
メディフォードでは、LC-MS(Orbitrap)を用いた核酸医薬品(Cold/Hot)の代謝物検索試験受託サービスを信頼性基準下で実施しています。
*1: ICH-M3(R2)
項目 | 詳細 |
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代謝安定性 | 被験物のマスクロマトグラム、UVクロマトグラムにより代謝安定性を評価いたします。 |
プロファイリング | 予測代謝物の分子式のマスクロマトグラム、UVクロマトグラムによりプロファイリングを行います。 |
構造推定 | MSスペクトルの精密質量から代謝変化、MS/MSスペクトルパターンから代謝変化部位を推定いたします。 |
代謝物同定 | 代謝物標準品と試料中の代謝物を比較し、 溶出時間、 MS.MS/MSスペクトルにより同定いたします。 |
使用装置 | 詳細 |
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LC | Nexera X2 System (Shimadzu) |
MS/MS (Orbitrap) | Q Exactive Focus (Thermo Fisher Scientific) Maximum Resolution: 70,000@m/z=200 Mass error < ±3 ppm (external standard). < ±1 ppm (internal standard) |
ソフトウェア | Xcalibur 4.1. Compound Discoverer 2.1 (Thermo Fisher Scientific) |
LC-MS/MS法を用いて、核酸医薬品の未変化体及び代謝物の同時定量が可能です。